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2007 Organic Expo in Australia (前編)

9月7─9日にオーストラリア第二の首都メルボルンで、[2007 Organic Expo]が開催されました。その視察のため1週間ほど滞在してきました。すがすがしい広い空、爽やかな風と咲き始めた花がとても美しかったのですが・・・

物価の高さと街の変化に驚かされました。特に換金レートの変化には絶句。私が住んでいた4年ほど前に比べると豪ドルがかなり強くなっていて、換金するとき1万円が90ドルくらいになってしまいちょっとしたショックを受けました。主要交通機関の路面電車「トラム」の運賃も1.5倍。聞けば家賃も年々高くなっているんだとか。Cityも高層ビルが増え建築中のマンション郡も目立ちました。

私とオーガニックの出会いの場所でもあるオーストラリア。今回のOrganic Expoはオーストラリア国内外から衣食住のオーガニックアイテムが揃うトレードショー in メルボルンということで、通常の展示会場ではなくRoyal Exhibition Building「ロイヤル・エキシビション・ビルディング」といって、ビクトリア州で記念すべき第1号の世界遺産となった建物で開催されました。



この「ロイヤル・エキシビション・ビルディング」は、1880年と1888年に開催された万国博覧会のために、ジョーゼフ・リードの設計によって建築されたものだそうです。メルボルンの中心地(繁華街からすぐ近く)に位置し、ビザンチン式、ロマネスク式、ルネッサンス式の各建築様式を取り入れた美しい外観と、内部中央にある大聖堂状のドームが特徴です。味気なく物々しい冷たいコンクリートの展示会場と違い、色鮮やかな壁画に囲まれた館内での展示会は本当に気持ちよく、出展しているメーカーのスタッフさんも訪れるお客さまも、時折上を見上げて差し込む光で照らされた美しい館内を楽しんでいらっしゃいました。







オーガニックといえばやはり食品の数が圧倒的に多いのですが、今回特に目についたのはベビー用品と女性のライフサポート商品です。女性にとってオーガニックを初めて?! 意識するきっかけとなるのが、なんといっても出産・育児。無垢で頭からつま先まですべてがキレイな体の赤ちゃん。自分自身のケアはさておき、やはり我が子には安全はもちろん質の良いものを与えてあげたいと思うもの。



まずは口にする食品として安全性が高く安心できるという意味でオーガニックを手に取るようになり、その次のステップとして毎日使う石鹸や肌着などにも気を配るようになり1つずつアイテムを揃えるようになるそうです。最近ではドイツからスタートした「おむつ」に関する赤ちゃんの健康とゴミ問題の関心の高まりからか、土に還る素材でできたものやオーガニックコットンでできた布おむつなどが多く見受けられました。



紙おむつの使用量は、子供1人あたり約2トンと言われています。それが全てゴミになると考えると膨大な量です。またもともと紙おむつは、石油由来の原料でできているものが殆ど。プラスチックパンツという呼ばれ方をすることもあり、燃やすとダイオキシンなどを発生する恐れがあることも明らかになっています。

そういった様々な面でおむつを選ぶ基準が「便利さ」「手軽さ」だけの追求から、「おむつ選びでできる環境保護として価値ある選択」に変わってきているようです。イギリスやドイツでは「布おむつ」推奨の動きもあります。日本では少々時間がかかるとは思いますが女性ができる「エコ」の活動の1つとして注目される日がくるのではと思っています。



ボディケア商品に関しては、各ブランドからそれぞれにトークセッションの時間が設けられ、商品の主原料や使用成分についての説明のほか、通常の商品(オーガニックでないもの)にはどのような特徴があり薬剤や原料の種類によって、私たちの身体にどのような影響を及ぼすのかなど、深い内容までしっかりと掘り下げたスピーチも行われました。ヨーロッパを中心にオーガニックや自然派と呼ばれるボディケア産業が急成長しているのは前のコラムでもご紹介いたしましたが、この分野は更なる発展が見込めるなと改めて実感しました。

食品ではチョコレートの新商品が多く並んでいました。オーストラリアの方はチョコレート好きが多い! チョコレート中毒症? とも言えるような大のチョコレート好きが集う「チョコホリック・ツアー」なるものも存在するんです。要するにチョコレート店やカフェをツアーのように数人で集まって、あちこち食べて廻るというもの。

以前、オーストラリア人の方が100人ほどで開催したクリスマスパーティに参加した際、パーティーの目玉・ビンゴ大会の1等賞商品は畳一帖分の大きな板チョコでした。会場はすごい熱気で盛り上がり、特大の板チョコを手に入れた人には羨望のまなざしが・・・。

日本でもムソーのDAGOBAチョコレートやピープルツリーのフェアトレード・チョコレートなども人気があります。今後も海外からの新しいブランドが入ってくるようです。

*後編ではオーストラリアのマーケット、カフェなど日常のなかのオーガニックをお伝えします。

 

【関連情報】

○豪遊デイズ 「まだまだ現役」 2007/09/08
 オーストラリア メルボルンの世界遺産 ロイヤル・エキシビジョン・ビルディングで
 開催されたオーガニックエキスポの様子を現地在住のライターがリポート。
http://tororrie.blog61.fc2.com/blog-entry-375.html


○もろてん 「The Road to Organics」 2007/09/11
 オーストラリア オーガニックエキスポの様子
http://moloten.exblog.jp/6943595/


○OZ GARDEN BLOG 「オーガニック・エキスポ」 2007/09/09
http://ozlife.blog2.fc2.com/blog-entry-197.html


○写真家・相原正明のつれづれフォトブログ
 「世界遺産 ロイヤル・エキシビジョン・ビルディング」 2007/07/24 
http://aiharap.exblog.jp/5961837/


○写真家・相原正明のつれづれフォトブログ
 「世界遺産 ロイヤル・エキシビジョン・ビルディング2」 2007/07/25 
 エキシビションビル内部の様子
http://aiharap.exblog.jp/5969288/

 


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