20万人のフランス人が大麻(マリファナ)を栽培、法の厳しさと実態が乖離
- フランス在住ジャーナリスト
<記事要約>
フランス南部トゥーロン市で、閑静な住宅街の一軒家の庭で、大麻(マリファナ)を大量に栽培しているのが発見された。ニーム市でも200平方メートルの敷地に600本の大麻が植えられていたのが見つかった。
薬物研究所によると、フランスで約20万人が大麻を自分で栽培しているという。大量栽培、販売する組織犯罪グループとは別に、1990年代から自分で吸う分のマリファナを育てている人が増えてきた。ある調査によると4人に1人は自分で育てているという。
それを裏付けるように、大麻を家の中で育てるのに必要な、ナトリウム電気や水栽培用の植木鉢の販売が伸びている。しかし、違法の栽培が警察によって発見された件は、1600件の大麻所持逮捕に対して、115件と、まだまだ少ない。
2007年10月11日付日刊フィガロ誌
http://www.lefigaro.fr/france/20071011.FIG000000302_deux_cent_mille_francais_cultivent_leur_cannabis.html
<解説>
ヨーロッパの中でもオランダやスペインは、大麻のようなソフトドラッグの摂取は認められている。ドイツのように、少量の摂取は違法ではないが、保持、栽培、売買は禁止されている国も少なくない。
マリファナ摂取は、どの国でも年々延びていて、違法にしていたままでは、闇のマーケットに潜りこみ、組織犯罪が蔓延する危険がある。それよりも、合法化して、管理ができるシステムにしておこうという考え方だ。
そのような風潮のなか、フランスは、日本と同じように摂取、保持、売買、栽培すべて禁止されている。ヨーロッパ内では、大麻に厳しい法律の国である。
しかし、フランス人で大麻を吸った事があるのは、1240万人にのぼり、120万人が常用しているとの調査がある。高校生の3分の1は、マリファナ経験ありだ。
フランス人の間では、ソフトドラックの摂取は、コカインやヘロインのようなハードドラッグとは一線を引いて、広く黙認されている。とくに14歳から18歳という若い世代の摂取が多い。高校の中庭や校門付近で白昼から堂々と吸っている生徒達も見かけるくらいだ。大麻は常習性がないとのことで、親も公認している場合も少なくない。勉強のストレスが多い学生が、リラックス効果があるマリファナを少し吸うくらいなら仕方ないだろう、という親が結構いるのだ。
ヨーロッパの中で、若者のマリファナ摂取率は、皮肉なことに、摂取が禁止されているフランスが一番高い。親子で吸っている場合もある。68年の五月革命で自由を謳歌してきた親世代が、禁止することで子供に興味をもたせるよりも、自分達の目の届く範囲で、危険なく摂取して欲しいと思っているからだ。
多くのフランス人が知人経由で大麻を購入しているが、質の問題や逮捕のリスクを少なくするため、自分で栽培を始めるケースが増えている。ネットで、大麻の育て方も簡単に調べられる。室内で大きなプラスチックの平型プランターに大麻の種を水栽培して、高圧ナトリウムランプで照らし続ければ、大麻を短い時間で育てられる。洋服ダンスの中で育てている人が多いので、「棚栽培」と言われる。
違法ならば、しっかり取り締まるべきという少数派の意見と、他のヨーロッパ諸国のように、ここまで摂取が多いのであれば、煙草のように合法化して政府の管轄下におくべきだとの意見がここ10年来、議会で議論されているが、保守的なフランスでは、マリファナ合法化の道は険しそうだ。緑党のノエル・マメール氏も大麻合法化の案をだし、世論にたたかれた。このパラドックスをどう処理していくかが大きな課題になっている。
【関連情報】
○GIGAZINE 2007-04-25
「マリファナを水耕栽培している地下洞窟施設の写真あれこれ」
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070405_marijuana_cave/
○ある編集者の気になるノート 2007-01-11
「アメリカのポルノビデオは、なぜ笑ってばかりいるのか?」
http://aruhenshu.exblog.jp/5284971
○夕刊フジBLOG 2004/09/09
「合法ドラッグやって、とんでもないツケが…」
http://www.yukan-fuji.com/archives/2004/09/post_420.html
○huixingの日記 2007/10/12
「オランダがマジック・マッシュルームを禁止へ」
http://d.hatena.ne.jp/huixing/20071012/mushroom
▼産業用大麻、医療大麻
○高柳恭子ブログ(東京FMパーソナリティ)
「ヘンプは世界を救う?」 2007/08/14
では一体なぜ、ヘンプってマリファナ(=違法なもの)と認識されるように
なってしまったのでしょうか? そううかがうと、赤星さんは、「それはね、
アメリカで使用が禁止されたからなんです。」と教えてくれました。
何でも1930年代には、このヘンプ、クルマの燃料などとして使用できる
可能性が、非常に注目されていたのだそうです。でも、そこで台頭目覚しく
登場したのが、石油。結局、ヘンプは石油との争いに敗れ、アメリカ政府は
ヘンプ=マリファナとし、その栽培や使用を、禁じたのだとか。
http://www.tfm.co.jp/blog/takayanagi/index.php?itemid=8069
○木村麻紀のオルタナティブ・ワールドへようこそ!
「すごいぞ!ヘンプ麻」 2007/08/12
なぜ、こんなに利用されているのか?。ヘンプ麻は生育が早く、虫に強い
ので、農薬や化学肥料をほとんど必要としません。また、遊休地を活用
できて、地域の雇用促進にもつながるということで、その利点に気付いた
EU各国やカナダ、オーストラリアなどの国々では、90年代に麻のマーケットが
ぐんと広がったのでした。
http://makikimura.blog55.fc2.com/blog-entry-102.html
○”ゆる”VegelifeBlog 「夢のエコ素材、産業用ヘンプ」2006/08/30
しかし最近になって、大麻には医療の現場で使われたり、いわゆる
ドラッグの原料になるものと、それとは別に、麻薬成分を含まない
産業用のものがあって、その産業用のヘンプは、環境を守るエコ素材
として多いに使えるということを知り、目からウロコがボロボロ
落ちました(◎_◎;)
http://blog.livedoor.jp/sa2004/archives/50705766.html
○◆ 風和的LOHAS ◆ 「これがヘンプです」 2007/08/08
ヘンプについて詳しく知りたい方にはこちらをお勧めします♪
「ヘンプ読本―麻でエコ生活のススメ」赤星 栄志(著)
http://lohas.kazanagi.sub.jp/?eid=643968
○Dr. フロッガーのブログ 2007/04/20
「医療用大麻製剤サティベックスについて」
http://blog.goo.ne.jp/dr-frogger/e/aeaa106f7f2cf9c517c16e18024db72f
○イザ! Mellow Yellow 840 @iza マリファナ
「スイスとイタリアの医療大麻」2006/10/30
http://chimp.iza.ne.jp/blog/entry/65643/
○Mellow Yellow 840 「世界のトチギシロ(栃木の大麻)」2006/09/30
http://blog.livedoor.jp/a_chimp/archives/50736784.html
○麻時間─大麻で生活と心を豊かに─
「ヘンプを栽培したい!っと思ったら、、、」 2006/11/02
http://timeofhemp.blog79.fc2.com/blog-category-8.html
○WIRED VISION / ニュースアーカイブ 2005/06/10
「医療用マリファナの是非をめぐる議論」
http://wiredvision.jp/archives/200506/2005061005.html
○WIRED VISION / ニュースアーカイブ 2002/01/22
「ハワイ州議員、産業用大麻と波力の利用を推進」
http://wiredvision.jp/archives/200201/2002012204.html
○ヘンプ・フィールド ヘンプに関する総合情報サイト
http://www.hempfield.jp/hemp/cat_01aecaaaaeaieaaaaaaaaaaaaaeaaaaaie.html
○(株)ニュー・エイジ・トレーデイング 麻の実食品
麻の実食材の輸入・加工・販売、麻の実食品・化粧品・日用品の製造販売
http://www.new-age-trading.com/index.html
○「マリファナ青春旅行」麻枝(まえだ)光一的大麻生活
「大麻から燃料とプラスチック」 2007/09/10
http://taimadobrog.livedoor.biz/archives/51212023.html
○「マリファナ青春旅行」麻枝(まえだ)光一的大麻生活
麻枝制作ビデオ「ここまできた医療大麻の現実」 2007-03-05
http://taimadobrog.livedoor.biz/archives/51081767.html
○MASTER PIECE 「マリファナ青春旅行」2007/09/03
色々な旅行記を読んでいますが麻枝光一著書の
【マリファナ青春旅行】ほど読み返している本は無いですね
http://blog.olga.to/borelo/aid=26165
○日本の産業用大麻の栽培について
http://www.taima.org/jp/ya991003.htm
○東京都認証 NPO法人 ヘンプ製品普及協会
http://www.partie.net/hpsa/hpsa.html
○医療大麻を考える会
http://www.iryotaima.org/
▼エンターテインメント
○今宵、映画検索。2007
「麻薬・ドラッグ・覚醒剤・コカイン・LSD・マリファナ・幻覚
……などの映画いろいろ」
http://cinema.livedoor.biz/archives/50823168.html
○Spirit In The Sky 2006/05/23
「音でトリップ体験 Queens Of The Stone Age : Liveアルバム」
http://blog.livedoor.jp/airyfairies/archives/50276705.html
○bounce.com インタビュー「Queens Of The Stone Age」 2005/03/31
ストーナー・ロックというスタイルで孤高のバンドとなった彼らの新作
『Lullabies To Paralyze』は、聴く者の思考を麻痺させる世界一危険な
子守歌だ!!
http://www.bounce.com/interview/article.php/1854/ALL/
○Rock Junkheadz 2007/09/24
Queens Of The Stone Age「Songs For The Deaf」
http://lastchild.blog35.fc2.com/blog-entry-429.html
○栗毛アコきゅんハァハァ
「SLEEP / Jerusalem」 2005/03/30
ストーナー・ロックと言えばデロデロにダウナーなヘヴィ・ロック、
というのが一般的です。もともとストーナー・ロックはマリファナの
マリファナによるマリファナのためのマリファナロックと喧伝
されている部分もあります。
http://sakusya.daa.jp/blog/archives/2005/03/sleep_jerusalem.php
○ドゥーム 「ストーナー・ロック」
http://members.at.infoseek.co.jp/darkside_mule/homepage/stone.htm
○emancipate yourself from mental slavery
マリファナは 神がロックンロールにもたらした モノリスである。
http://www.yamazaki666.com/stonerindex.html
○pooneilの脳科学論文コメント 2007/07/04
「ネオ・シューゲイザー、あとストーナー・ロック」
http://pooneil.sakura.ne.jp/archives/permalink/001068.php
○LIFE IS NOT AMUSEMENT FOR ME 2005/07/11
「WIZARD'S CONVENTIONレポ」
日本初のヘビー・ロック最強メンツのオールナイト・イベント第一弾
「WIZARD'S CONVENTION VOL.1」
http://another-state.blog.drecom.jp/archive/108
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