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2008年のオーガニック分野における展望と岡村貴子の予想


女性に大好評。オーガニックハーブを
使用した家庭用洗剤と食器用洗剤
「アグロナチュラhttp://agronatura.jp/

2008年のオーガニック、どのような展開になるのでしょうか。

IT業界やファッション界と違い、どちらかというとスローな変化が特徴のこの分野も
今年は少し変わった動きをしていきそうです。まず、オーガニックそのものの存在について・・・。

オーガニックという言葉自体は都心を中心に徐々に地方にも普及しつつあると考えていいでしょう。といえども、有機栽培、有機農業という表現のほうが断然、認知度、理解度が高く、英語であるオーガニックとなるといまいち意味不明、という反応。

この言葉の普及からスタートしなければならないオーガニックの世界にも、希望の光が見え始めたのが2006年暮れです。12月15日に施行された「有機農業の推進に関する法律」。有機農業の発展を図るためにできたこの法律により、日本全国規模で有機農業を推進するために様々な取り組みが行われることになりました。

昨年2007年はその準備期間、いよいよ今年から少しずつではありますが本格的に有機農業及び農産物などの普及活動が始まります。農林水産省と日本農林規格では、早速今月から「有機野菜の産地へ行こう」と題して、無料の農場見学会を開催する予定です。
http://www.jasnet.or.jp/jigyou/jigyou/noujyou.pdf

また、「有機農業の推進に関する基本的な方針」第3 有機農業の推進に関する施策に関する事項のなかに「消費者の理解と関心の増進」という項目がありますが、これに関しても小売店や量販店に呼びかけて、消費者向けの有機JASマークの理解促進や啓蒙普及活動が始まるようです。

我がオーガニックコンシェルジュ協会でも、オーガニックコンシェルジュとしての認定講座を行っていますが、そこではオーガニックに係わる規格(栽培生産の方法)や制度(オーガニックであることを証明する仕組み)といったルールを学ぶ過程で、オーガニックが目指すところ、その普及のために必要なことは何かを考えていくことに重きを置いています。現在、日本国内に約500人存在するオーガニックコンシェルジュと協力しあうことで、何か新しい活動や取り組みができるのではと考えています。

大きな動きとしては推進法の発展が大きなキーとなるわけですが、生活者レベルではどのような変化が見られるでしょうか? オーガニックはもちろん食べ物だけでなく、衣食住の全ての分野に存在するものです。

昨年、住・暮らしの分野に値するスキンケアの売り上げ、及び認知度が一気に上がったことは前回のコラムでも紹介しましたが、今年もその勢いは衰えることなく続きそうです。海外からの新しいブランドが数多く登場するだけでなく、スキンケアにとどまらないヘアケア、メンタルケアなどの商品も増えてくるようです。


幼児向けのオーガニックスキンケア商品は不動の人気。
「ヴェレダ http://www.weleda.jp/index.shtml



この傾向のひとつの理由は、女性の美や健康に対する意識の変化がトレンドを大きく変えつつあるから。外からの、見た目だけの美しさを追求する時代は終わり、内なる美しさや体の隅々まで行き届いたケアにより、トータルビューティーが確立されるという思考が着実に広がっているからでしょう。

その内側を作るものとしてもちろん「食」は欠かせないわけですから、食材としてのオーガニック需要も着実に増えていくことは間違いありません。今までも、オーガニックの需要は常に右肩上がりの成長を遂げており、その数値自体は小さくとも成長率の伸びに関しては世界的に見ても安定していると言えるようです。

衣の分野の着るオーガニックに関しても、オーガニックコットンの普及に伴い、デザイナーとのコラボレーション商品の登場や、エコイベントにおいてのユニフォーム、企業のオリジナルグッズのためのOEM需要が高まるなど、消費者が手にする機会は着実に増えてきています。特に子育てにおいてオーガニックコットン商品は大活躍するため、今後は贈呈品としての商品開発が進むでしょう。

  
ファッション業界に精通したクリエーターが作る
繊細なナイトウェア。
「nanadecor http://www.nanadecor.com/

 

私が個人的に注目しているのは「オーガニック家具」という新しい価値を持った商品の動きです。もともとは化学物質過敏症の方々のために作られたものですが、日本でも安全性だけでなくその機能性やデザイン性のクオリティの高さの噂を聞きつけてショールームに足を運ぶ方が増えているようです。


今後ますます注目される分野のオーガニック家具
「ファーネイチャー・ジャパン http://www.furnaturejapan.com/



生活の中にいつも存在するものが、ひとつずつオーガニックになっていく・・・ 期待しているのはこんな暮らしですが、マンションや住宅業界から「オーガニックなライフスタイルを送ろう」というテーマの特集の企画書をいただくたびに明るい未来を感じます。近い将来、理想ではなく現実にオーガニックな日常を送る人たちを着実に増やしていこうと意気込む今日この頃です。

 

【関連情報】

○NPO ローハスクラブ
 「New Yorkに進出し、ニューヨーカーの圧倒的な支持を得たホールフーズマーケット」
http://www.lohasclub.org/600/lc_201.html


○食品スーパーマーケット最新情報 2006/08/25
 「オーガニック食品スーパー、ホールフーズマーケット!」
 彼ら自身、leading retailer of natural and organic foods(自然および
 オーガニック食品を販売するリーティング企業)といっているように、
 自然食品とオーガニック食品専門の食品スーパーマーケットである。日本の
 イメージでいうと紀ノ国屋が近いといえよう。企業の成長率もこの5年間平均
 120%の成長をつづけており、急成長企業である。
http://pipi.cocolog-nifty.com/pi/2006/08/post_37a0.html


○本日も快晴なり 2007/09/13
 「Agronatura(アグロナチュラ) bio Leaves(ビオリーブス)」
http://blog.livedoor.jp/hi_sys/archives/51127445.html


○☆★ Life and Beauty ★☆
 「WELEDA(ヴェレダ)のボディオイル2種」 2007/12/22
http://blogs.yahoo.co.jp/shion706/39444668.html


○COURRiER Japon + hitomedia
 「コカ・コーラに強力ライバル登場!」 2007/11/13
  バイエルンに住むある農夫が化学添加物を全く使わない炭酸飲料を開発し、
 ドイツで大ブームを巻き起こしている。この「ビオナーデ」という名の
 飲み物は、すでにマクドナルドやIKEAなどでも販売されており、今年の
 売り上げ予想は250万本を上回るという。
http://courrier.hitomedia.jp/contents/2007/11/post_212.html


○ドイツより愛を込めて=お気楽ドイツ生活=
 「より良い世界の公式飲料水・・ビオナーデ」 2007/09/19
http://blogs.yahoo.co.jp/shampoo1105/52100757.html


○やっぱおうちがいいね 2007/10/29
 「フェアトレードのオーガニックコットンTシャツ」
 デザイン事務所なので、オリジナルデザインのTシャツを作ろう!という案が
 出たときに、「それならオーガニックコットン、しかもフェアトレード製品を
 使いたい!」と割り込んで意見させてもらいました(笑)通っていた
 アロマセラピーのスクールを通じて知ったPeopleTreeさん。フェアトレードとは
 「貧困のない公正な社会を作るための対話と透明性、互いの敬意に基づいた貿易の
 パートナーシップ」とのこと。
http://daisy30.exblog.jp/tags/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%B3/

 

 


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