今年も世界最大級のオーガニック・ナチュラル関連製品の展示会BioFachへ、ドイツのニュルンベルグまで視察に行ってきました。出展社数2,764社、来客数46,484人と大規模なこのトレードショーでは、世界中から大集合した衣食住全ての分野のオーガニックを見て、触れて、食べることができます。もちろん各国の市場の最新情報や世界的なオーガニックトレンドなどを知ることもできます。

毎年同じ２月に行われるこのイベント。最初に参加した４年前は雪が降り凍えそうに寒く、呼吸するのも困難なほどの冷え込みでしたが、年々、寒さを感じることが少なくなり、雪の量が減り、なんと今年は野外でも半袖で歩く人を見かけるほど。１、２年の変化であれば暖冬では？　と思えますが、毎年徐々に暖かくなる気候を目の当たりにすると少なくとも温暖化を意識せざるをえません。

展示会にて行われるセミナーでも「climate change and organic farming」というタイトルで、近年の断続的な気候変動で、より実践が困難になりつつあるオーガニック農業、今後はどのように対処していくべきかについて具体的対策発表や意見交換が行われました。

初日に行われるオープニングセレモニーでは、映画「グリーンカード」で主演を務めたフランス人俳優ジェラール・ドパルデューがゲストでステージに上がり、ライフスタイルとして、子供の健康面への配慮からオーガニックを積極的に取り入れているとスピーチしました。





フランスのパリではオーガニック・マーケットが定着しつつありますし、2005年の調査では

　　*フランス人の半数近く(47％)が少なくとも月に一度はオーガニック製品を
　　　消費している。

　　*86%のフランス人がオーガニック製品に肯定的な印象を持っている。

　　*87%のフランス人がオーガニック製品は環境を守るのに役立つと考えている。
　　　（Interfelbio：http://www.interfelbio.com/accueil7.asp?d=19%2F03%2F2008
　　　　プレスリリース参照）という興味深い結果が出ています。

最近ではオーガニックスキンケアが支持されつつあり、日本との共同開発品なども登場しています。

スキンケアといえば会場で日本人に合いそうな（日本人女性が好みそうな）商品を見つけました。バルト三国のうちの１つラトビアで誕生したスキンケアライン「ＭＡＤＡＲＡ」です。

女性の友達グループで手作りコスメを作り出したことがキッカケだったこの商品は、友人同士のメンバーのそれぞれがデザイン、成分調整、ＰＲをしたりと得意分野を発揮してブランディングしていったのだとか。手作りの素朴感を残しながら、オーガニック成分のやさしさや透明感を商品の品質だけでなくパッケージデザインやパンフレットにもうまく表現してたりして、思わず手に取りたくなるものでした。

もしこの先、日本にこのブランドが上陸したら、ラトビアという未知なる国へのイメージや神秘性なども商品の魅力のひとつになっていくのでしょうし、工場で大量生産されたものではなく、限られた原料のなかで大切に丁寧に作られている特別感が溢れるこの商品はきっと人気が出るのではと思います。

今回会場にて、日本でお馴染みの抹茶、緑茶をよく見かけました。抹茶を挽く臼がゆっくり回転する横では、茶葉の紹介、抹茶専用のドリンクを作る機械・抹茶マシーンが抹茶ラテを作るところが見られました。











近年抹茶はヨーロッパで人気が高まっており、アイスクリームや菓子類に混ぜて楽しんでいるようです。鮮やかな新緑を思わせる抹茶の緑は、飲む人の目を楽しませ、清涼感に近い苦味が特徴の風味は料理での用途も様々に活用できるため、今後も注目の食材として認知されていきそうです。


Keiko tea


抹茶に限らず、日本には味噌やしょうゆ、みりんなど世界に誇るべき商品がまだまだあります。伝えきれていない美味しさや、それらが完成するまでの職人の技術やストーリーを商品の魅力としてとりあげ、食材の「ワイン」のような存在になっていければ、日本食に対する海外の評価や評判も変わっていくのではないでしょうか。

今後も日本の誇りある伝統の味、それにオーガニックというこだわりの付加価値をつけた商品が、どのように世界に受け入れられていくのか注目していきたいと思います。

【編集部ピックアップ関連情報】

○BioFach 2008-Sherry(YouTube映像 00:55)
http://jp.youtube.com/watch?v=IlwEX6eje3M

○Biofach 2008 Norimberga 3(YouTube映像 01:46)
http://jp.youtube.com/watch?v=eYnCHW51wqY

○るぱん日記　「BioFach Germany─展示会編」　2008/03/14
　本当にでかかった。まず規模の大きさに圧倒！
　たくさんの背広を着た人達が準備の日には、展示場内を自転車とか
　スクーターを乗り回して移動してました。それくらい、広い！
http://lupandiary.blog59.fc2.com/blog-entry-184.html

○おもちゃ箱ブログ　「ビオスーパーにて」　2008/03/12
　化粧品売り場では「マルティナオーガニックコスメ」「タウトロップフェン」
　と全商品が綺麗に陳列されていました。その奥には「ソネット」の家庭洗剤
　とオーガニック大国ドイツでの、これらの商品の人気度合いが感じさせられ
　ます。
http://blog.sonett.jp/?eid=27421