CGM時代におけるクリエイティブとユーザーのコラボレーション
- ブロガー
CGM時代と言われて、もうどれぐらい経つのでしょうか? ちょっとよくわかりませんが、まあCGMという言葉自体はある程度定着したものとしていいと思われます。
いわゆるマスの時代からCGMの時代というような構図で語られることもありますが、CGMとセットでネット広告というものも語られます。それはバナーであったり、アドセンスであったりしました。
しかし、ネット広告がいよいよラジオ、雑誌を抜き去るようになってくるに至って、これまでマス広告でしか見ることができなかったようなとてもクリエイティブな広告がWebキャンペーンを中心に見られるようになってきました。
個人的には、UNCLOCK辺りから、Webキャンペーンの流れが変わってきたように思ってます。
http://www.uniqlo.jp/uniqlock/
▼「ユニクロのUNIQLOCK、これ今年いちばんのオンラインキャンペーン
なんじゃないんですかね」 :[mi]みたいもん!
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/uniqlo.html
▼「UNIQLOCKはなんと年間のオンラインキャンペーンだった!」:[mi]みたいもん!
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/uniqlockwinter.html
最近では、AXEのモーニングコール(http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/axe_687c.html)なんかが、その代表と言えるでしょう。
そして、さらにWebだけではなく、マス広告も一体となって話題になっているキャンペーンが出てきました。ヴィダルサスーンの「FASHION,MUSIC,VIDALSASSOON」キャンペーンです。
http://vidal.jp/top.html
安室奈美恵の新曲のPVとCMがきっかけになって、全国で前髪をパッツン前髪にする女の子が増えまくっているというヴィダルサスーンのキャンペーンです。
PVもCMもとんでもないクオリティで作られていますが、Webキャンペーンのサイトもすばらしい出来映えです。
▼Title:「ヴィダルサスーンのキャンペーンサイトがとんでもないハイクオリティ」
[mi]みたいもん!
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_30da.html
さて、ではこういったハイクオリティのクリエイティブとCGMは相容れないものなのでしょうか?
ユーザーがビデオを投稿して参加するといったキャンペーンは数多く実施されていますが、その中でも成功事例と言えるものにGoogleがYouTubeを使って行った「 Gmail:
リレーストーリー ビデオ(http://mail.google.com/mail/help/intl/ja/gmail_video.html)」があります。
このキャンペーンが成功したのには、理由がありました。むやみに動画を集めるのではなく、動画にはふたつのルールが設定されていたのです。
そのルールは素材として提供されたGmailの「M」付き封筒を動画の「右側から入れて、左側に移動して消える」ようにして撮影し、しかも10秒以内の動画にするというルールでした。
そのルール設定は成功し、キャンペーンをしかける側がこういった作戦をしかけることで、ハイクオリティな動画はCGM的に制作可能なことが証明されました。
CGMの担い手であるユーザーとそれをしかけるクリエイティブ側にうまい役割分担を配分することで、ハイクオリティのクリエイティブとCGMはうまく共存できるわけです。
さらに、前述のヴィダルサスーンのキャンペーンでは、こういったユーザーとクリエイティブのコラボレーションともいうべき、新しい試みがスタートしています。
http://vidal.jp/360snap/index.html
Gmailビデオでは動画のルールが設定されていましたが、ヴィダルサスーンではユーザーを360度全方位からスナップを撮影するというしかけが用意されています。
このキャンペーンもきっとうまくいくと私は思っています。なぜなら、この2つのキャンペーンは、ユーザーが参加するために、ユーザーをあるクリエイティブの型にはめこんでいるからです。
成功するユーザー参加型キャンペーンの秘訣というのは、たぶん単なる材料提供ではありません。いかにユーザーに気持ちよくクリエイティブの型にはまってもらうかが勝負なのではないでしょうか?
【編集部ピックアップ関連情報】
○Googleサービスの使い方!
http://g.1o4.jp/
○業界人間ベム 2008/03/09
「広告会社の本当の危機」
http://g-yokai.com/2008/03/post-90.php
○ITmedia News 2008/02/05
2015年、テレビは「ニコ動」化する?――NRIが示す未来像
ニコニコ動画では例えば、質の高いオリジナル楽曲が発表されると、別の
ユーザーがプロモーションビデオを作ったり、歌詞の字幕を付けたり、
伴奏を付けたり、カラオケで歌って発表したり――と、創造のサイクルが
高速に回転。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/05/news094.html
○CNET 2008/01/21
「スペース提供」から「コンテンツ提供へ」--メディアの広告ビジネス
メディアの広告ビジネスへのスタンスは単なる「スペース提供」から
「コンテンツ提供」へシフトする必要がある。そしてこれは何も
ネットメディアだけの話ではない。メディア(というかパブリッシャー)
は、従来の広告会社機能を一部取り込んで、自らのコンテンツ開発力を
広告ビジネスとしての収入に変換することに傾注すべきだろう。
http://japan.cnet.com/column/netad/story/0,3800075540,20365205,00.htm
○x2.5(ニバイハン) 2008/02/27
「JAAAクリエイティブ研究会 ボーダレス2008 佐藤可士和×伊藤直樹×高松聡」
に参加してきました
http://www.2baihan.com/2008/02/jaaa_2008.html
○MarkeZine 2008/03/14
「インターネット広告に派手な企画力はいらない」
“売れる”インターネット広告の極意
「誤解を恐れずにいうと、レスポンス型のインターネット広告に
『派手な企画力』はいりません。必要なのは、『運用する能力』です」
と加藤氏は強調する。「レスポンス効率を上げるためには、
『クリエイティブ』と『メディア』という二つの軸にわけて『最適化』する
必要があります。ものすごい単純な話なのですが、今までの広告の発想とは
違うので、なかなか理解してもらうのが難しいんです(笑)」
http://markezine.jp/a/article/aid/2859.aspx?p=1
○加藤智明 つくねパパのblog 「動画クリエイティブの有効活用」2008/03/12
企業の動画クリエイティブというとテレビ広告向けCFが想起されがちですが、
DVD配布・イベント用商品広告・商品取扱説明、リクルート・PR・
IR用企業紹介や社長挨拶といったインフォマーシャルなどなど多岐に
わたっています。
http://tsukunepapa.blog.drecom.jp/archive/491
○1歩進んで2歩下がる。 2008/03/13
企業コラボウィジェット「UNIGLOBE」で世界のデザインにアクセス!!
自分の生活になじみのない国のデザイナーがデザインした、Tシャツ
というとても身近なアイテムを見ることができる、というのはなんだか
ふしぎな体験でワクワクする。
http://ninniku.10.dtiblog.com/blog-entry-139.html
○なんば経済新聞 2008/03/14
「50台のカメラで全方位撮影-心斎橋で参加型スナップ撮影イベント」
http://namba.keizai.biz/headline/300/
○今日の流行りモノ! 2008/02/21
「今年の春ヘアはバング(前髪)が決め手!前髪ウイッグが大人気」
おしゃれな女の子たちの間で話題なのが「前髪ウイッグ」。パッチンと
自分の髪にとめるだけで簡単に流行のバングが作れるだけあって、
SHIBUYA109、SHIBUYA109-2ほか全国計13店舗を展開するショップ
『NAVANA(ナバーナ)』などで好調な売れ行きを記録している。
http://blog.oricon.co.jp/hayarimono/archive/61/0
○DesignWorks 2008/02/06
「ファッション・音楽とコラボレーションした新しいヴィダルサスーンの
プロモーション」
ヴィダルサスーンのクリエイティブ・エキスパートを務める
オーランド・ピタと、ファッション界のトップスタイリストである
パトリシア・フィールドが60、70、80年代をテーマにした新しい
ヘアとファッションを提供し、現代のテイストにリメイクした
ビジュアルと安室奈美恵さんの音楽をマッチさせるという試み。
http://designwork-s.com/article/82718519.html
○trends & ideas 「若者を虜にする秘訣とは…」2007/11/02
「今どきの若者」の関心を惹きつけるため世界中の企業が悪戦苦闘するなか、
それに見事に成功している企業があります。まずはそのキャンペーン
“Bom Chicka Wah Wah”(ボムチカワッワッ)をご紹介しましょう。
(注)過激な内容を含みますので、職場でご覧になる方はご注意ください。
http://acorn.typepad.jp/trends_and_ideas/2007/11/post_516e.html
○堺で暮らすWebマーケティングプランナーのBlog 2007/06/09
「ユニリーバAXEのクロスメディアプロモーション事例全貌」
http://ameblo.jp/sakai/entry-10036148147.html
○カンヌ広告祭2007 2007/06/24
「カンヌ07インテグレーテッドグランプリ: AXE 3」
これは、ある匂いのAXEと別のAXEを混ぜることで、新しい“第3”の匂いを
生み出そう!というキャンペーン。結果、単にキャンペーン直後の売上が
増加しただけでなく、2つのAXEを使わせることで使用量の増加効果(50%UP)
も得られたということです。
http://cannes-lions.jugem.jp/?eid=47#sequel
○GIGAZINE 2008/02/05
指定した時間に女性がモーニングコールしてくれる無料サービス
「AXE WAKE-UP SERVICE INC.」
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080205_axe_wakeup_service/
○F.Ko-Jiの「一秒後は未来」 2008/02/05
「AXE WAKE-UP SERVICEの女性タレント(モデル)が誰なのか調べてみた」
http://blog.fkoji.com/2008/02052232.html
○七人の侍=石川三十五右衛門
「インタラクティブの流儀(吉原有希)」2007/10/06
どういう体裁の本かというと、 クリエイティブの現場で起きたこと、
行われたことを「映画のメイキング」のように制作者の視点を大切に
しつつ、「プロジェクトX」のように淡々と語っている本。 簡潔に
書かれている上に、何を語りたいのか、何を記録し、伝えたいのかが
明確で、とても濃厚。
http://ys99.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_1073.html
○[M] mbdb 「インタラクティブの流儀」 2007/05/23
ユーザーの存在なくして成功はないわけで、そのユーザーに知って
貰うための手法としてWEB広告がどれだけ有効で、ネットでもリアル
でも双方向コミュニケーションが取れる企画が肝になってるかが
よく解る事例ばかり。
http://mbdb.jugem.jp/?eid=59
○俺のターン 2007/04/06
「Webキャンペーンのしかけ方」は記念碑的書籍ですね
http://d.hatena.ne.jp/kurimax/20070406/1175856141
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