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交通渋滞、ガソリン代高騰・・・公共交通を使ったLA生活改善ノススメ

全米で最も交通量が多いといわれるロサンゼルス。どこに行くにも車に頼っているアンジェリーナもアンジェリーノも、こうガソリンの値段が高騰すると、そろそろ交通手段を変えることを考えなくてはいけなくなる。かといって、電車が通っているエリアは限られていて、結局バスか、自転車か、徒歩となる。

この6月から友人がバス通勤をはじめた。自宅からオフィスまで都合良く直通バスが通っている彼女の場合、バス通勤でも30分。なによりも「ストレスフリー」になったと言う。これまでは毎朝せかせかした気分で車を走らし、割り込みや急ブレーキに、精神的にイライラが溜まっていたそうだ。それがバス通勤に変えたところ、読書をしたり、好きな音楽を聴いたり、30分で気持ちをリフレッシュできるようになったという。さらに会社が月々テナントビルに支払う駐車場料金を、給料に上乗せしてくれたそう。ガソリン代のセーブに加えて、お小遣い付き! こうなると断然バス通勤も悪くないと感じてしまう。

ちなみに、2006年までロサンゼルス住民のたった7%しか、公共交通手段を使っていなかった。それが、昨年末からじわじわと増加し、この1月から3月にはダウンタウンへアクセスするバスで13から16%増、ロサンゼルス全体を見ても、なんと平均にして8%の増加となったという。(一部の地域住民の特権というのは、なんとも可笑しいが)電車が通るエリアの往復の場合、例えばノースハリウッドエリアからダウンタウンまで約45マイル(72キロ)が$1.25。車を利用した場合、ガソリン代は$6.05ほど。こうなると、車通勤をもったいないと思わざるを得ない。

さらにこのところやたらと<スクーター>を見かける。これまでカリフォルニアでバイク、といえば大型のハーレーばかり。イタリア産の「VESPA」(http://www.vespausa.com/) はかねてから米国でのプロモーションに力を入れていたが、ようやくそれが実ってきたようだ。カリフォルニアのあるショップでは、ガソリンの値段が$4/ガロンを超えた4月1日以来、このVESPAが昨年2ヶ月で販売する量と同じペースを、毎月売るようになったという。(http://abclocal.go.com/wtvg/story?section=news/local&id=6164777)

そして、バイクやスクーターと同じくらい、売上増そして人気の交通手段が<自転車>である。「ロサンゼルスカウンティー自転車連合」(http://la-bike.org/) によると、2008年に入って突如、会員が増加。会社通勤に自転車を利用しているという人が急激に増えたそうだ。会員は自宅からオフィスまでの通路を調べたり、最寄りの修理屋に関する情報を得るために、同連合にコンタクトを取ってくるそうだ。

さらにこと車に関して言えば、<燃費のいい>車への乗り換えが流行。この4月巨大なSUVやトラックが約17%のセールスダウンに対して、いわゆるセダンタイプの車(パッセンジャーカー)は5%増だった。車のカープール(相乗り)もここ数年さらに増加。昨年末には“Carpoolers”(カープーラーズ)という相乗りをし合っている会社の同僚達を主人公にしたコメディードラマまで作られたほど。(http://abc.go.com/primetime/carpoolers/)

まずは自分の行動範囲にどんな公共交通手段があるのか。それを調べるところからはじめてみようと思う。ニューヨークのようにぱっと地下鉄やバスに乗れる時代が、ここロサンゼルスに訪れるとは思えないが、利用者が増えれば、州や市の財政も交通手段の改善に、もっと時間と費用を注ぐようになるだろう。そうすれば、もっと快適なロサンゼルス生活が送れるようになるに違いない。

 


【編集部ピックアップ関連情報】

○小林ゆきBIKE.blog 「道交法改正効果か勝間和代効果か」 2008/06/17
 日本で車道を走る自転車が増えたのは、これはもしかして勝間和代氏効果?
 とか思ってしまった。勝間氏の「効率が10倍アップする新・知的生産術―
 自分をグーグル化する方法」という書籍の帯にはこんな写真がある。
 スーツのすそをすそ留めのゴムで留めたり、情熱大陸で放送されたスーツの
 上にサイクリングウエアを来て自転車で都内を移動する姿はなかなか
 インパクトがある。勝間氏いわく自転車通勤は、時間を節約でき、かつ
 身体を鍛えることができるという。メタボリックシンドロームが社会問題化
 されようとしている今、なかなかタイムリーな布教である。
http://yukky.txt-nifty.com/bikeblog/2008/06/post_c6df.html


○わにの日々-大都会編 「原チャリ最強伝説」2008/06/02
 ガソリン代高騰はバス運営にも影響を及ぼしており、お客は増えているのに、
 バスの本数は減少傾向にあるのだとか。またもやアメリカ社会を襲う、
 悩ましい矛盾、ですか?
http://shirowani.blog41.fc2.com/blog-entry-147.html


○海外LRTニュース・ひろい読み 2008/06/05
 「2008年【運賃無料】ベイエリアは6/19だけに」
 この数年,夏のスモッグシーズンの時期になると,ベイエリアでは翌日は
 大気中の有害物質が連邦政府の定める基準を超えるとの予報が出ると,
 スペア・ディ・エア・デー(Spare the Air Day)と宣言され,それが平日
 なら公共交通機関が運賃無料になる時がありました.
http://urbantransit.seesaa.net/article/99495272.html


○異をとなえん 2008/04/13
 「アメリカのガソリン価格と住宅価格の関係は?(その2)」
 ロサンゼルスみたいな鉄道のない都市は、駅のような中心がはっきりしない。
 そうすると中心も大きなエリアであって、そこから外れれば勤務先と
 ショッピングセンターなどの移動距離が、ほぼ等距離にあるような地域が
 広範囲に広がっていると考えられる。勤務先が近いとショッピングセンター
 は遠いというような意味だ。
http://munya.12.dtiblog.com/blog-entry-233.html

 

 


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