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米P&Gが人気ママブロガーを起用。進むインフルエンサー・マーケティング

<記事要約>

米P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、人気ブロガーを新たなマーケティング戦力とする方針を決めた。今回P&Gがブロガーを起用するのは、ベイビーケア用品。今月7月末に、15人の人気ママブロガーをオハイオ州シンシナティの本社に招く。今までマスメディアを中心に広告活動を行ってきた同社だが、ブログが本格的にマーケティング戦略のひとつとなるようだ。

Advertising Age (7月14日2008年)


<記事解説>

P&Gがブロガーを招待するというこのイベントは、赤ちゃんおむつ「パンパース」の販促が目的だ。もちろんブロガーにかかる飛行機代やホテル代はP&Gが全負担する。

「ママブロガー達が、新たな影響力というのは公認の事実です。」(Advertising Age)

P&Gベイビーケアの広報ディレクター、ブライアン・マックレアリーがこう話すように、ブログの影響力を本格採用する姿勢が見られる。


■ インフルエンサーとは

P&Gはブロガーをインフルエンサーとして位置づけている。まずインフルエンサー・マーケティングについて説明したい。

インフルエンサーとは、「消費に影響を与える存在」という意味。特定のことに詳しい専門家やセレブリティー、ブロガーなどの個人を指す。インフルエンサーによって商品の情報や、クチコミを伝えたりするのが、インフルエンサー・マーケティングと呼ばれるものだ。

例えば化粧品を売りたいと思ったときに、その化粧水の特性を調べる。その化粧水に、肌を引き締める小顔効果があったとすると、企業は上手な小顔マッサージをすることで有名な、カリスマメイクアップアーティストや、美容に詳しい医師をインフルエンサーとして起用する。雑誌やテレビコマーシャルで、そのインフルエンサー達が商品の良さを伝えるというのは、馴染みのあるやり方だ。

P&Gは5年前からインフルエンサー・、マーケティングに力を入れてきた。今までインフルエンサーとして起用してきたのは、医療専門家やセレブリティーなどが中心だった。しかし、ブログの影響力拡大を受け、とうとうブロガーをインフルエンサーとして起用する。これはブログの影響力を示す、大きな一歩だと言えるだろう。


■ 企業もブロガーを本格起用

P&Gの他にも、米ジョンソン&ジョンソンのベイビーケア部門が、ブロガーの広告枠を販売するブログ広告ネットワークFederated Mediaとパートナーシップを結んだ。同社は17人のママブロガーに協力を仰いでいる。

もちろん、ブロガーに商品紹介を頼むという動きは前からあった。しかし、「インフルエンサー」として、本腰を入れて起用する今、状況は少し異なる。企業も大きな資金を投入することになるからだ。

企業との利害関係なく、本音が書かれているのがブログの魅力だった。しかし、企業が資金を投入しても、ブロガーは本音を書くのか? 読者の受け止め方は、今までと変わらないのか? どこまで企業が介入するのか? など多くの点が未知数だ。「インフルエンサー」としてのブロガーの動向も注目していきたい。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○ITmedia Biz.ID  2008/02/19
 関心テーマを“インフルエンサー”が広めるマーケティング
  ――『その1人が30万人を動かす!』
 マーケティングの真ん中にあるのは関心テーマである。消費者の心にハマる
 関心テーマを起点に、ネーミングやスローガンへの語形変化、広告媒体表現、
 プロモーションイベント体験へ広げていく。その関心テーマを引っ張るエンジンが、
 “インフルエンサー”。インフルエンサーには3つのタイプがあるとする。
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0802/19/news006.html


○広告なんて大嫌い!!なんちゃって 2007/12/14
 「インフルエンサー・マーケティングとは、まくらである」
 中でもこれが一番重要なところだなーと感じたのは、
 「インフルエンサー・マーケティングの役割は、広告やプロモーションが
 効きやすくなる環境づくり」という言葉。
http://d.hatena.ne.jp/masaki3323jp/20071214/1197566025

 

 


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