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危険なペット食---安全、健康を追求するオーガニック・ペットフード

「食の偽装」のニュース。
次々に私たちの目に耳に飛び込んできています。

有名なレストランから小さな食品会社にいたるまで相次いで不正が見つかり、先日は土用の丑の日にうなぎを食べて元気になるどころか、産地偽装で中国産ではないかと不安で胃が縮む思いをしなければならない始末。消費者の私たちは何を信じて選べばよいのか・・・その基準さえもわからなくなってきたように感じます。

とはいえ、このような食べものについての「嘘」や「ごまかし」が増えれば増えるほど、オーガニックがより人々の関心を集めるようになったのも事実です。食品の生産、処理、加工、流通、輸送、保管、販売などの経路をさかのぼってたどれるトレーサビリティ(Traceability)はオーガニック・有機栽培には必須事項。各工程の記録を義務付けているので、きちんと裏づけが取れ、不安や疑問があれば履歴追求していけるという点が私たち消費者に安心感を持たせてくれています。

農薬や化学肥料を抑え、遺伝子組み換え技術を用いない本来あるべき生産方法で食を生み出すこのオーガニックの分野にも新たなムーブメントが起きつつあります。食の安全への配慮は私たち人間ばかりではなく、同じ生きものとして犬や猫にも大切だということが考えられ、この当たり前のようで意外と見落としがちだったペット食への安全追求が日本でもスタートしはじめたのです。


ペットフードの原材料には食いつきが良くなるように砂糖、合成甘味料、着香料を添加し、また見栄えを良くするための着色料(犬は色を判別できないといわれていますが)、合成ビタミン・ミネラル、合成調味料、毒性の強い防腐剤などが使用されていることが多い状況です。それを規制する法律も存在しなかったため、皮膚アレルギーや内臓疾患、肥満などに悩まされ、原因不明のまま亡くなっていくという悲しい事態が後を絶たないという事実があるのをご存知ですか。

そんななか昨年、アメリカでペットフード(愛がん動物用飼料)により犬・猫が相次いで死亡する事故が発生。日本においても同じような事故の発生が懸念されていることから今年、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案」という国内初の法案が3月4日に閣議決定し、第169回国会に提出されました(環境省報道発表資料より)。その影響もあってか、ペットの真の健康を考えるならば食を変えていくべきだという考えが広まり、改めてオーガニック・ペットフードの存在が注目され始めました。

世界で初めてオーガニック・ペットフードの製造が始まったのは1991年。現在でもヨーロッパやアメリカのブランドが市場を占め、国内に存在するものは、ほとんどが輸入品。とはいえ最近は手作りのペットフードを販売する店も増え、人間が食べられる生鮮食材をその場で選びオープンキッチンでフルオーダーメイドしてくれるところも登場しているようです。
ランフリー:http://www.runfree-inc.com/

また、大きなドッグランのある駒沢公園付近は連日愛犬を連れた人々で賑わっていますが、周辺に軒を並べるドッグカフェには、オーガニック素材を中心としたメニューをだしているところもあり、人と犬とが仲良くオーガニックを楽しめます。
Fumo :http://www.fumo.jp/index.html 



そして今年、いよいよ日本の企業が手がけたオーガニック・ドッグフードが発売されます。

欧米を中心とした海外のペット用品の輸入販売を行っている株式会社ライトハウスが、化学肥料、農薬、ホルモン剤、遺伝子組み換えを一切使用していない穀物、野菜、フルーツをはじめ、USDA(アメリカ農務省)の厳しいオーガニック基準をクリアしたチキンを原料としたオーガニック・ドッグフード「SOLVIDA」を開発。

  

強い毒性があると懸念されていた化学的に作られた酸化防止剤を排除し、ビタミンA、C、Eなどの天然の酸化防止成分のみを使うという徹底したこだわりを持つこの商品は8月に販売開始されます。

近年のペットブームの傾向としては、高価なアクセサリーや洋服、雑貨などにお金を掛ける人が多いようですが、生活のなかの大切な要素「食」に、どれだけの配慮とお金を掛けることができるのでしょうか。できるだけ安全で質の良いものを与えたいと、小さな子どもを抱える家族が中心となってオーガニックを取り入れ始めている昨今。我が子のように可愛がるペットにも同じような気持ちで「もの選び」「食選び」をしていただきたいものです。

 

 


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