Entry

不況時の米国ウェディング・マーケティングのいろは

(記事要約)

2008年は散々な年だと誰もがいっていたが、先週からそれに拍車がかかったように物事はもっと難しい方向に向かっているようだ。紙メディア、オンラインメディアにとっても、こうしたヘッドラインは悪い知らせだ。

しかしここで、分かりやすいウェディング・マーケティングに関するアドバイスをしたい。ウェディング・マーケティングに関しては、小心者は禁物だ。もし悲観的になって、そのように行動したら、本当にそうなってしまいます。分かっていることは一つ。いくつかのビジネスは残り、いつくかは遅かれ早かれ潰れていく。

まず1つ目は、この「潰れていくグループ」に属さないようにすること。そして二つ目は、ただ生き残るだけでなく、「きちんと生き残ること」。


1)80対20の法則:仕事内容は反映される

今はあらゆるサービスをあなたの仕事に加えるときではなく、最も収入が得られ、最も得意で、他と違うと認識されることに集中すること。“これを行なったらもっと収入が得られるだろう”と希望的なことを行なう時ではないのだ。

2)80対20の法則:スケジュールに表れる

例えば、もし1月はオフシーズンで、5月がハイシーズンだとするなら、とにかくまず5月の土曜日の予約を埋め、次に日曜日と金曜日の夜の予定を取り、その後に可能なかぎり別の曜日の予定を入れる。どんなに望んでも、オフシーズンが突然ハイシーズンに変わることはないのだから。

3)80対20の法則:クライアントの要望にも表われる

昨日まで裕福だったクライアントも、昨日より確実に裕福でなくなっている現実。常識と言われるが、最も早く、そして最も効果的に、花嫁の結婚費用を安く押さえる方法は、招待者の数を減らすこと。

4)80対20の法則:紹介に表れる

80%の紹介は、これまでの知り合いの20%からやってくる! これまでの客先に、何をしたのか、そして何も頼まずに、相手に何かをしてあげるというオファーをしてみるといい。例えば、同業者ネットワークパートナーたちと、月一の朝食会を開いてみるといい。あらゆることをざっくばらんに話す機会をもち、質の高いビジネスを運営する、ポジティブな人たちと戯れるだけでいい。

そしてとにかく大胆に行動しよう!

<音楽、ビデオ、照明などモバイルエンターテイメント専門誌
「Mobile Beat」サイトより>
http://www.mobilebeat.com/recession-wedding-marketing-tip-dont-participate/


(記事解説)

テレビや新聞からは、重苦しい経済のニュースが流れる。しかし米国ウェディング業界の人々は、相変わらず忙しそうなのだ。

どんな経済環境でも、結婚という祝い事は消えてなくならない。今回自分の結婚式を間近に控え、はじめて「ウェディングビジネス」そのものに興味を覚えた。日本と大きく違うここ米国では、あらゆる業種が「専門家」によって分業されている。そしてその専門家を一人一人選んでいく必要がある。日本では、特にホテルや催事場で式を挙げるとなると、各会場と付き合いのある「限られたリスト」から選ぶ。

一方米国では、どんな式場も、多くの場合は会場を借りる新郎・新婦たちが自分でアレンジを行なう。何百、何千、何万ものリストから選ぶのだ! もちろん、会場推薦の業者もあるし、一部の業者指定を受ける場合もあるが、テーブルクロスやナプキンを用意するリネン業者から、司会や音楽を担当する人まで、新郎・新婦に選択権がある。つまり、日本に比べて、予算、規模に合わせて同じ式場でも「ピンキリ」の結果が生まれる。それゆえに費用に余裕があり、一生に一度の最高の式を演出したい人にとって、フリーランスの「ウェディングコーディネーター」「ブライダルプランナー」という存在は欠かせない。

ところで私はこのブライダルプランナーたる仕事に興味を持つと同時に、自身がプロのビジネスコーディネーターであるというプライドもあってか、今回すべて自分でアレンジすることを試みた。約1年前から準備をはじめたが、いやはや大変である。予算内に、どれだけ「立派」に、そして「自分達らしさ」を表現できるか。たった1日のイベントに費やす時間とお金の大きさを考え、いまさらびっくりする毎日である。だが今回の経験を踏まえ、一度業界の内部をきちんと把握しつつ、客観的に業界を分析するチャンスを得た。
 
私が分析するウェディング業界というものは、 何よりも「経験がものを言う」世界だということだ。トラブル処理、予算や時間配分など、あらゆるものにおいて「知っているか、知らないか」の二つしかない。もちろん、「センス」重視の職種も中にはあるが、むしろ費用対効果をどれだけ出せるか。さらに物事を準備するスピード感は、多くの場合「初めて」結婚式を経験する花嫁側は、何も分からない。業者側はアドバイスをする側なのである。同じ花を用意するにしても、予算がこのぐらいなら、こうした内容。あるレベルのクオリティーを求めるなら費用はこのぐらいで、この飾り付け方がベスト、といったようにである。つまり、新規ビジネス参入者にとっては、ある程度の経験を積むまでが、なかなか厳しい。

それ故に今回業界玄人のアンディ・イェボン氏が取りあげている「80対20の法則」(パレート法則)は、とくに新参者にとって、非常に興味深い記事のはずである。ちなみに、イェボン氏は主に結婚式のDJ派遣会社を70年代に起こし、起業家として成功。その後ウェディング業界のご意見番として、様々な会議やトレードショーなどのゲストスピーカー出演をしているほど。

不況下にも元気な米国ウェディング業界で、今後どんな淘汰、台頭があるのか、興味深い。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○オリジナルウェディング・ネット
http://www.original-wedding.net/index.php

 

 


  • いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
    記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。
  • 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
  • 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
  • トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
    内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
トラックバックURL
http://mediasabor.jp/mt/mt-tb.cgi/858