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ミッシェル・オバマ夫人のファッションが米国アラフォー世代市場活性化

(記事概要)

選挙戦中からファッション・アイコンといわれたミッシェル・オバマ次期大統領夫人のおかげで、米国のアパレル業界が活気付いている。44歳のオバマ夫人は、高価なデザイナー・ドレスから、150ドル(1万5000円)程度のお手頃価格のスカートまで颯爽と着こなして、アラフォー世代の女性達から共感を得ている。ファッション業界は、オバマ夫人の人気にあやかり、これまで不得手としていた中年女性狙いのブランドを立て直そうと躍起になっている。
 
(ウォール・ストリート・ジャーナル 12月6日付け)  記事リンク:http://sec.online.wsj.com/article/SB122852270571084377.html

 

(解説)

ジャクリーン・ケネディ夫人以来のファッション・アイコンという声が高いミシェル・オバマ次期大統領夫人だが、ご本人はスタイリストもつけず、ファッションにこだわらないと公言している。

10月27日には、ジェイ・レノとの人気トークショー「トゥナイト」には、黄色を基調としたアンサンブルで現れた。当時、サラ・ペイレン副大統領候補の服飾費予算が15万ドル(1500万円)と伝えられており、ジェイ・レノがオバマ夫人に6、7万ドルの服かと聞いたところ、J.Crewのアンサンブルだと答え、観客から喝采を浴びた。スカートとタンクトップはそれぞれ148ドル、カーディガンは118ドルだった。

J.Crewはすかさず自社ウェブサイトでオバマ夫人が「トゥナイト・ショー」で着用したアンサンブルを宣伝。またGoogle、Microsoft、Yahooで、ミッシェル・オバマのキーワードを買い取り、検索するとJ.Crewの広告リンクが検索画面のトップに出るようにした。

米国のファッション業界は40代からの女性をひきつけるブランド作りで苦戦してきた。若者層より40代以上の方が、服飾に費用をかけることがわかっているが、服の好みも体型も様々でターゲットが絞りにくい。またメーカー側には中年向けのブランドというイメージを避けたいという気持ちもあり、40代向けにつくられたブランドがすぐに消滅した例は後を絶たない。

そこにオバマ夫人が登場し、40歳プラスでもシックでいられることを証明したのだ。オバマ夫人は長身ですらりとしているが、決してスーパー・モデルのような痩せ型ではないことも、一般女性から受け入れられる要因の一つだろう。

10月号のカバーにオバマ夫人を使ったMore誌の編集者は、「服飾販売に関し、ミッシェル・オバマさんの持つ影響力への関心は高い。ポスト・フェミニスト世代を象徴し、タイトなワンピーを着こなすオバマ夫人について、米国女性達は女らしく、セクシーなのに、パワフルというイメージを好感している」と、ウォール・ストリート・ジャーナルに話している。

来春には、元「マドモアゼル誌」エディターによる「ミッシェル・オバマ・スタイル・ガイド」という本も化粧品会社のエイボンから出版される予定だ。

オバマ夫人はマリア・ピントやタクーン(Thakoon)、ナルシソ・ロドリゲスなどの若手デザイナードレスや、J.Crew、ホワイトハウス・ブラックマーケットといったお手頃価格の服を愛用する。いかにもアメリカ風のカラフルな柄や色のドレスも好きなようだ。様々なデザイナー達が1月20日の大統領就任式用ドレスの売り込みに躍起になっており(下記リンク参照)、米国女性達の注目も高まっている。

不況の波が押し寄せる米国だが、新たな年、新たな政権のもと、ファッション・アイコンとしてはジャクリーン・ケネディに次ぐファースト・レディーの登場で、アラフォー世代にファッション・ブームが訪れるだろうか。


▼ミッシェル・オバマ夫人の大統領就任式ドレスは?
 (ウーマンズ・ウエア・デイリーのウェブサイトより)
http://www.wwd.com/fashion-news/dressing-the-first-lady-1875632#/


▼ウーマンズ・ウエア・デイリーのサイトに掲載されたデザイナー達からの
  ドレススケッチ(スライド・ショー)
http://www.wwd.com/fashion-news/dressing-the-first-lady-1875632#/slideshow/article/1875632/1876121


▼メディアサボール 2008/10/27
 次期「ファーストレディ」候補のファッションには政治メッセージも込められている?
http://mediasabor.jp/2008/10/post_511.html

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○オバマ夫人とファッションブランド  2008/12/15
 「ファーストレディのファッションは伝統ある米国の娯楽」
 デザイナーたちの意見は、ミシェル夫人の親しみやすく落ち着いたスタイルが、
 米国女性の装いに大きな影響を与えるだろうということで一致しているそうです。
  さらに、様々な課題を抱えているファッション業界が何よりも必要としている
 “活気”を与えてくれるのは、ミシェル夫人だろうとも見ています。
http://yaplog.jp/ovama/archive/1


○Narciso Rodriguez: Spring 2009 RTW(YouTube 03:04)
http://jp.youtube.com/watch?v=6yxrBPJp62s

 

 


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