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「第34回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」決まる--加賀屋が29年連続の1位に

 旅行新聞新社は毎年1月に、新春の恒例イベントとして「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の発表と、表彰式を実施している。

 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は、全国の旅行会社に投票用紙を配布し、プロの目から優れていると思われる宿を投票用紙(専用はがき)に記入して選んでもらうというもの。「総合100選」のほかに、「もてなし」「料理」「施設」「企画」の各部門「100選」も発表している。

 34回目を迎える今年の総合1位は、石川県・和倉温泉の加賀屋。加賀屋は第6回から29年連続で日本一の宿に輝いた。

 2位は稲取銀水荘(静岡県・稲取温泉)、3位は日本の宿古窯(山形県・かみのやま温泉)、4位は白玉の湯泉慶・華鳳(新潟県・月岡温泉)、5位は草津白根観光ホテル櫻井(群馬県・草津温泉)、6位はホテル秀水園(鹿児島県・指宿温泉)、7位は水明館(岐阜県・下呂温泉)、8位はいなとり荘(静岡県・稲取温泉)、9位は萬国屋(山形県・あつみ温泉)、10位は指宿白水館(鹿児島県・指宿温泉)。

 旅行会社の「プロ」が選ぶため、入選旅館の大半は50室、100室を超え、いわゆる地域や温泉地を代表する有名旅館が多い。知名度も高い。

 大規模旅館が名を連ねる「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」とは別に、旅行作家や旅行雑誌編集者、旅行業団体関係者らで構成される選考審査委員が特別賞として、「小規模和風の宿」を毎年10軒推薦している。

 「知る人ぞ知る」というような宿もあるが、旅の専門家たちが自信を持って推薦する宿だけに、個人客を中心に注目度も高い賞だ。毎年9から10月頃に自由国民社から発行される「プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&和風の宿」でも紹介される。

 今年は「花心亭しらはま」(秋田県・田沢湖畔、15室)、「深山荘高見屋」(山形県・蔵王温泉、22部屋)、「萱の家」(群馬県・武尊温泉、6部屋)、「源泉上野屋」(神奈川県・湯河原温泉、18部屋)、「心のふるさと橋倉」(山梨県・大月市、9部屋)、「けやき山荘」(長野県・乗鞍高原温泉、15部屋)、「星たる」(三重県・賢島、10部屋)、「対橋楼」(京都府・天橋立、10部屋)、「元禄旅籠油屋」(岡山県・湯原温泉、27部屋)、「味わう、もろみの島宿。真里」(香川県・小豆島、7部屋)の10軒が推薦された。

 推薦者による10軒の特徴も簡単に紹介しておくので、普通の旅館やホテルでは飽きたらず、素朴さや静けさ、宿主の人柄など、特徴のある小さな宿を探している人は、ぜひ宿選びの参考にしてほしい。


  ◎「花心亭しらはま」は、館内はすべて畳廊下となっており、スリッパは不要。
   食事は全客室に付いているダイニングルームで秋田の伝統的な郷土料理を
   楽しめる。

  ◎「深山荘高見屋」は、創業1716(享保元)年の老舗宿。随所に昔の建物の
   部材を上手に利用した純和風の建物。モダンな雰囲気の客室もある。
   源泉掛け流しの温泉は9つの風呂。宿泊客はグループホテルの湯舎めぐり
   もできる。

  ◎「萱の家」は、萱葺きの古民家を利用した宿。太い梁や総檜の湯船など
   木の温もりを感じる。玄米菜食精進料理が自慢で、地元の無農薬や有機農法に
   よる食材を無添加、天然調味料を用いて調理する。客室にはテレビを置いて
   ないため、山里の雰囲気を存分に味わえる。

  ◎「源泉上野屋」は、創業300年の歴史。水戸光圀公も宿泊したといわれる。
   文豪・夏目漱石も愛した宿。木造4階建て。

  ◎「心のふるさと橋倉」は、創業120年の山の一軒宿。周囲には何もない
   静かな宿で、小鳥のさえずりや美しい星空など自然を身近に感じられる。
   食事は山の幸を生かした地元の食材が中心。

  ◎「けやき山荘」は、古民家を移築した民芸調の宿。総檜づくりの内湯、
   露天風呂が自慢。

  ◎「星たる」は、すべての客室に露天風呂が付く。和の情緒に洋の機能美を
   兼ね備えた空間が心を癒す。伊勢海老、鮑、鯛など伊勢志摩ならではの
   海鮮料理を楽しめる。

  ◎「対橋楼」は、天橋立の回旋橋を前にした文学の宿。与謝野晶子、野口雨情、
   林芙美子も訪れた。太い丸太の梁などを剥き出しにした古民家風建物。

  ◎「元禄旅籠油屋」は、旭川に面した落ち着いた雰囲気の湯宿。窓からは桜が
   眺められる。

  ◎「味わう、もろみの島宿。真里」は、自家製のもろみとタマリを
   さまざまなメニューに使う醤油会席が自慢。古い醤油蔵の材を使った部屋が
   風情を醸し出す。


 なお、「第34回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の表彰式・懇親パーティーは1月23日に、東京・新宿の京王プラザホテルで行われる。

 

 


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