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不況だから大盛況、高収入職種限定の就職・転職斡旋サイト「ラダース・コム」

1929年大恐慌以来と言われている世界経済の悪化。フランスや日本も例外ではない。大多数が不況を嘆くなか、前より多忙に、そして収益をあげている企業がある。ラダース・コム(The Ladders.com)は、年収10万ドル(約1千万円)以上の高収入職にターゲットを絞った就職斡旋サイト。高収入職に見合うだけの高学歴、バックグランドをもつ有能な人材が登録をする。2003年にニューヨークで設立。不況時に、利益をのばしている。

販売、マーケティング、金融、人事、法務、技術と広い分野を扱っている就職斡旋サイト。登録求職者数は200万人以上にもなる。大手求職サイトのモンスター・コム(http://www.monster.com)との差別化は、2点ある。高収入の職種に限った事とサイト利用が有料な事である。


不況だから、収益向上になる理由は単純。

1)経営悪化のため、高学歴、高収入で働いていた有能な人材が、リストラにあい、
  またはリストラ対象になる不安から、就職斡旋サイトに登録する。求職登録者数
  が増加する。月々4万人もの新規登録があるそうだ。

2)企業サイドも、経営悪化、不況をうけ、より有能な人材を経営立て直しの
  ために探す。斡旋サイトの閲覧、サービス使用の増加。「この大不況の
  なかでも、ここ3ヶ月で、400社が新規登録している」と、副社長の
  アレキサンドル・ドゥゼさんは語る。


このように景気後退が逆に追い風になっているのである。金融業界は、現在大打撃を受け、失業者があふれているが、ラダース・ コムのような広い分野の求職登録者を有する斡旋サイトには好機。ウォールストリートで働いていた有能な人材を、技術会社、健康関連業界といった異業界がアナリスト専門家として探しているからだ。

登録者に月々30ドルの登録料を課すのも、利益体質に繋がる勝因のひとつ。斡旋職種が高収入のため、不況の折り、大きな負担にならない投資ならば厭わない人が増加している。また、有料なので、求職者のアップデートが頻繁だ。

アメリカでの成功をうけ、現在はヨーロッパに進出中。英国をベースに不況のヨーロッパで、国際的で有能な求職者、潜在的求職者を取り込んでいけると、前述のドゥゼさんは意気込む。

 


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