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ノルウェー発、北欧流傑作「茶会」セット登場!

北欧デザインは、シンプルでありながら斬新で、古いようでいて新鮮で、ハッとさせられることが多い。主張しすぎない、さりげないたたずまい、でも、静かに存在感のあるデザイン、そこにあるだけで心地よいデザインというのは、北欧がどういうバックグラウンドを持っているから生まれるのだろう、と今もって不思議だ。

なぜだろう、なぜだろうと考え、人々の暮らしを見つめていると、やはり、空間にゆとりがあって、人々の生活リズムにもゆとりがあって、それでも、そのゆとりをモノやコトや人で埋め尽くそうとせず、自分が本当に愛着の持てるものだけを使い、自分にとって本当に大切な人たちと濃密な時間を過ごし、そこまで思い入れが持てるモノやコトや人が見あたらなければ、見つかるまで待つか、自分で生み出すか、いっそ持たずに過ごす。そんな潔さが、人々に長く愛される、時に流されないデザインの背景にあるような気がしている。

そしてまたひとつ、北欧デザインの傑作を発見してしまった!
ある日、時折手にするノルウェーのリビング・ライフスタイル誌”BONYTT”をパラパラめくっていたら、小さな仕切りがたくさんある箱に、色鮮やかなハーブがちりばめられた写真に、目が釘付けになった。ワインの香りを嗅ぎ分ける訓練のために使う、Le Nez du Vinに似ているけど、何だろう?(Le Nez du Vinとは何ぞや?という方は、メグ・ライアンとケヴィン・クライン主演の『フレンチ・キス』という映画を一度ご鑑賞あれ)


photo : Peder Torget

これは、実は、20種類にも及ぶ、様々な種類を詰め合わせた、ハーブティーのセット”Urteriket”なのだ。付属の茶こしの中に、ハーブティーを、好みの組み合わせで入れ、これまた付属の磁器やガラスのカップにセットして湯を注ぎ、冷めないように上からガラスのカバーをかぶせて5から10分。すると、穏やかに香るハーブティーができあがる。


photo : Peder Torget

この”Urteriket”は、素敵なギフトボックスに入っていて、中を開くと、ブレンドハーブティーのレシピ集も付属。これと熱いお湯さえあれば、いつでもどこでも、北欧流のお茶会を始められるのだ。


photo : Peder Torget

なんともスタイリッシュで、しかもちょっと懐かしい感じのこのハーブティーセットをデザインしたのは、ノルウェーはオスロ出身のヴィベケ・スカー。フィレンツェで3年間、工業・コミュニケーション・デザインを学び、オスロに戻って働きながら建築・デザイン高等学校(AHO)で修士号を取得。”Urteriket”は、彼女のAHOでの卒業制作だったのだ。

テーマは、ノルウェーの自然、おとぎ話、神秘、工芸、そして古くからある、伝統的なものに新しい命を吹き込むこと。ハーブはロム地方のおいしいハーブ農家から調達したもので、ノルウェーに古くからある伝統的な磁器のカップと、ヴィベケが新しくデザインし、作ったガラスのカップとカバーとのフュージョンは、日々の生活に、ちょっとした新鮮味を与えてくれる。ちなみに、ガラスのカバーのデザインは、ノルウェーの自然やおとぎ話のお城などからインスピレーションを得たものだそうだ。


photo : Peder Torget

ターゲットは、20から70歳の女性。ギフトとして使ってくれれば、というのがヴィベケの願いだが、こんなに素敵なプレゼントを贈られたら、箱を開けた途端、ハーブのいい香りと美しい色合い、そして洗練されたデザインに、お礼の言葉も忘れてただただ陶酔してしまいそうだ。近々、デンマークでも発売されるらしいので、とにもかくにも、実際に手に取って、北欧流茶会を楽しんでみたい。

 

 


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