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高級ワインとつまみを飲食しながら有名シャトーを巡るメドック・マラソン

 今年で25回目を迎えたメドック・マラソン。(http://www.marathondumedoc.com/)42km195mを走るフルマラソンであることには変わりはないのだが、かなり変わったマラソン大会だ。時間を競うより、楽しむことが一番の目的。仮装し、ワインを飲みつつ、おつまみを食べて走る。走っては飲み、飲んでは走るマラソン大会。
http://www.youtube.com/watch?v=734ihjuMwUg

 有名シャトーのひしめく南仏ボルドーのメドック地域で行われる。今年は、9月12日(土)に開催された。ワイン好き、パーティ好きが大部分を占める参加者は、憧れのシャトーのぶどう畑の間をぬいつつ走り、23のグラン・クリュのシャトーが、給水所、ワイン試飲所となる。さらに、ワインに合う牡蠣やチーズ、ボルドーで美味しいと評判のリブロース肉アントルコットなどのおつまみも食べられるのだ。

 こんなので、完走できる人がいるのかと思いきや、完走率はかなり高いそうだ。なぜかというと仲間と一緒に走るからだ。また、走っている間に仲間になって、お互いに励まし合って完走する。グループ参加者が多いのもこのマラソン大会の特徴。65ユーロ(EU出身の参加者)から80ユーロ(他の国からの参加者)の参加費を払えば、6時間半以内に完走者した人全員に、Tシャツ、バック、ワインなどの景品がもらえる。1984年から始まったこの大会は、世界一長いマラソンと銘打っている。

 サンジュリアン、ポイヤック、サン・テステフとワイン好きにはたまらないAOCを走る特異なマラソン大会に、40カ国から8750人が参加する。フランス人が大半だが、2割は海外からの参加者だ。日本からの参加者もいる。通常飲めないような高級ワインを途中で飲めるだけでなく、仮装して、パーティ気分なのも嬉しい。参加者それぞれが工夫した衣装を着つつ走る。参加者は、忘れがたい思い出になった、特別な体験だと口々に言う。ピエロやタキシードは序の口、キリンやゴリラ、バイキング、バトンガールも走っている。見ているだけでも笑える。

 フランスでも人気の「神の雫」の原作者も、メドック・マラソンを走ったそうだ。ワインを愛し、楽しんでいる人達はここに居る。そこから、ワイン関連の知識も調達するのだろう。原作者の集めた多くの資料や体験に基づいて描かれた「神の雫」は、フランスワインの話題が多い。ワイン消費量、世界2位のフランスであっても、ごく普通のフランス人は、ワインの知識がそれほどなかったりする。このマンガを読んで、新しい情報やワイン界の有名人、 また新しい食べものとワインの合わせ方を発見しているフランス人が多くいるのだ。

 ワイン愛好者は、是非、一度参加してみるべき大会だ。日本でも、日本酒の名所でやるマラソン大会があっても面白いだろう。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○シニア世代がつぶやくニュース  2009/07/03
 「神の雫」、グルマン世界料理本大賞の最高位受賞
 7月1日、ワインがテーマの漫画「神の雫(しずく)」
 (亜樹直・作、オキモト・シュウ画、講談社)がグルマン世界料理本大賞の
 最高位の賞「殿堂」をパリで受賞しました。この賞は、
 「料理本のアカデミー賞」と言われているものです。
 グルマン世界料理本大賞に、日本の作品が輝くのは初めてです。
http://mamadekigoto.269g.net/article/14526321.html

 

 


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