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ドイツ発イタリア料理フランチャイズ「vapiano」。安さと快適さを両立で人気

2002年にドイツ・ハンブルクで第一号店をオープンして以来、欧州の大都市はもちろんのこと、サウジアラビアやアメリカにまで進出しているイタリアンフードのフランチャイズ「vapiano」が盛況だ。

まず広々と快適な店内に足を踏み入れると、キャッシャーの店員が客一人ずつにチップカードを与えてくれる。初めてのお客にはその使い方を丁寧に教えてくれ、それから各自そのチップカードを持ってサラダ・前菜バー、パスタ、ピッツァ、そしてカフェやスウィーツを注文しに各コーナーへと歩いていく。

オープンキッチンなので、見えない台所で不潔に調理されるといった心配もなく、若いスタッフが元気よく働く姿もすがすがしい。天井も高く広々しており、一人で早くランチを済ませる人はスタンドチェアに、友達や家族とゆっくりしたいならソファにと、店内での時間の過ごし方は人それぞれだ。それはまさにスターバックスのイタリア料理版といった感じ。カジュアルでありながらも、安っぽさを見せないところがまさに成功の鍵と言えるだろう。

オープンキッチンでフレッシュにサーブしてくれるにもかかわらず値段が手ごろなのは、辺鄙な場所にあるからでも、食べ物の質を下げているからでもなく、ウェイトレスによるサービスを必要最小限にとどめているからだ。注文した食べ物はチップカードに記録され、店を出るときに店員が会計をするというハーフ・セルフサービスであるが、快適なようにちゃんと工夫がこらされている。例えばピッツァなどの時間がかかるものの場合、重いトレーを持ちながら立って待つ必要はなく、焼きあがればブルブルっと動いて知らせてくれる小さなプラスチックボックスを渡されるので、出来上がるまで前菜を先に友達と食べてくつろいだりすることができるのだ。

店名「vapiano」は、「ラフにリラックスして生きれば、健康で長生きできる」というイタリアの諺から来ているそうだが、まさにそうした時間の過ごし方ができるよう、うまく演出されたレストランである。広々とした店内には、ベビーカーでの来店もできるし、子供用メニューもきちんと用意されている。まさに抜け目ない。

肝心の食べ物だが、パスタはその場で作られた生パスタや、ビッグサイズの手作りピザが約600円からという安さ。トッピングやソースに使われる材料によって数百円の差はあっても、最高900円程度だ。そして食後にはイタリアンエスプレッソも安価に楽しめる。ゆったりできて、新鮮なものが手ごろな値段で食べられるのだから、人が来ないわけがなく、各店舗平均して1200人の客が足を運ぶそうだ。そして常に新しい店舗のロケーションを募集しているように、場所はショッピングができる便利な中心街にある。

こうしてイタリア料理のフランチャイズを成功に導いた47歳のケント・ハーネ氏は、その経営法を世界のフランチャイズ王であるマクドナルドから学んだと言う。26歳という若さで、マクドナルドのライセンス契約を結んでいた彼は、20年間同社の売り上げに貢献してきたが、その後独自のレストランフランチャイズである「vapiano」の経営に集中。簡単な食事を短時間で済ます一般的なファーストフードショップとは一線を画す、友達同士が一緒に料理を作って食べるようなアットホームな店舗作りに専心してきた。こうした新しいタイプのフランチャイズは、日本でもこれから求められるだろう。

 

Vapiano のHP(英文)。メニューや店内が見れる。
http://www.vapiano-international.com/vapiano/

 

 

 


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