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マンガ(漫画)消費大国フランスでコスプレ人気ブレイクの予感

ヨーロッパでもぐんぐん人気が上がっている日本のマンガ。フランスは日本に次ぎ、世界第二のマンガ消費国。20年前の鳥山明作のドラゴン・ボールが火をつけたマンガ・ブームはとどまることを知らず、ポケモンの世界的ヒットの影響と、最近のNaruto、フルーツ・バスケット、モンスターといった人気作品のおかげで、現在は書籍全体売上の1/3を占めるほどだ。

現在、30歳前後のフランス人は、日本のアニメをテレビで見て育っている。テレビが一般家庭に普及しはじめた1970年代、子供向け番組を制作する体力のなかったフランス・テレビ局は、鉄人28号、グレンダイザー、キャンディ・キャンディ、アルプスの少女ハイジをはじめ、数多くの日本アニメを輸入した。

68年の五月革命の後で女性解放が謳われ、結婚後は家で専業主婦をするという風習から、結婚出産後も女性は働くべきという流れの中で、自宅で両親を待つフランスの子供達はテレビの日本アニメで育っていった。 日本のアニメに慣れ親しんだ世代が、日本のマンガに興味を持つのも自然の流れといえる。

フランスには、ベーデーB.D.(Bande Dessinéeの略)と呼ばれる彩色をほどこしたイラスト的要素の強い大型版の漫画があるが、ストーリー性重視の日本の「マンガ」は急速に中学生、高校生世代の支持を獲得していく。

最近、フランスのメディアで頻繁に取り上げられるようになってきたのが、マンガやアニメのキャラクターに扮するコスプレ。 日本では、コスプレ居酒屋などサービス業にも応用され、マンガファンだけでなく一般市民もコスプレに触れる機会があるが、90年代中頃に輸入されたコスプレは、フランスではまだまだマンガ系イベントで盛り上がる程度。

15歳から25歳くらいのファンが、衣装を手作りしてイベントに参加する。コスプレ・イベントでは、女の子の方が多く見受けられる。全体の8割が女性との調査結果もある。しかし、ここ1年で一般人にコスプレの認知度が高まり、新しい動きがでる可能性大だ。

2007年5月18日から20日までの3日間、パリの理工専門学校EPITAで行われたエピタニムEpitanimeは、今年で15周年を迎えたアニメ・フェスティバル。入場者は6000名を超えた。フェスティバルの目玉は、屋外の会場で100名程の参加者の中から選別するコスプレ大賞。
http://www.epita-convention.com/

7月6日と7日には8回目を迎えるジャパン・エキスポJapanExpoが開催される。日本の文化や武道を紹介するイベントだが、マンガやアニメ関連のものが中心となっている。日本で8月に行われる世界コスプレ・サミットに出場するフランス代表者が決められるのもこのイベントだ。http://japan-expo.com/

マンガ大国のフランス。マンガ好きが高じて日本に興味を持ち、日本語を学んだり、日本に旅行に行きたいと熱望するフランス人若者が増えている。

2006年7月には16歳の少女、ロリーとジェニファーの二人が、マンガの聖地日本にどうしても行きたくて、親に内緒で二人でヒッチハイクをしながらフランスから日本に行こうと試みた。ヴィザもお金もないまま、東欧とロシアを横切り、ポーランドの国境で、警察につかまり、フランス本国に送還され話題になった。若い世代のマンガへの熱烈な憧れもここまできている。


■参考情報

●MediaSabor  2007/07/12
 「日本を夢見るフランスのコスプレイヤーたち ─ジャパン・エキスポ(Japan Expo)2007」
http://mediasabor.jp/2007/07/2007japan_expo_2007.html

●フランスのジャパン・マニア 1/2(YouTube映像)
http://www.youtube.com/watch?v=vbjBYQXjBZE

●フランスのジャパン・マニア 2/2(YouTube映像)
http://www.youtube.com/watch?v=PuVsalC_DCU

●Harajuku Girls Montage : Gwen Stefani : "Harajuku Girls" (YouTubeスライドショー)http://www.youtube.com/watch?v=Xj_Oor-CG-I

●Cool Japan 日本文化inフランス(リサ・ステッグマイヤー公式ブログ)http://risa.blog.ocn.ne.jp/journal/2006/07/cool_japan.html

●日本のオタク文化が外国人に受ける訳
http://news200x.blog94.fc2.com/blog-entry-141.html

●J-CASTニュース 「オタク文化」世界に君臨 「萌え」知らないと恥をかく
http://www.j-cast.com/2007/03/31006384.html

●J-CASTニュース「オタクの街」秋葉原は国際観光地 国交省も積極的アピール
http://www.j-cast.com/2007/03/11006052.html

●ユーロジャパンコミック:パリ発ヨーロッパのマンガ情報http://www.eurojapancomic.com/index.shtml

●アキバBlog(秋葉原ブログ)「フランス人観光客が、とらのあな1号店を見てた」フランスからのツアー団体と思われる人たちが、秋葉原のコミック店「とらのあな」を巡る様子が書かれています。http://www.akibablog.net/archives/2007/05/france_070504.html

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