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クリスマスツリー(植木鉢付き生木)のレンタル・リサイクリング業が反響

多くのヨーロッパ諸国がそうであるように、ドイツでもクリスマスが終わり、年が明けると、道のあちらこちらで要らなくなって捨てられた生木のクリスマスツリーが横たわっている。平均して高さ2m近くもあるツリーが、ドイツ国内だけで2800万本も販売され、毎年道端に何週間にも渡ってすてられるのだから、歩道の邪魔になるばかりでなく、環境保護の視点からみてもあまり好ましいとはいえないだろう。

こうした問題に改めて着目し、新しくビジネスを始めたスイス人男性がいる。奥さんと一緒に、その名も訳してエコクリスマスツリーと言う名(EcoSapin)を設立したベレビー氏は、クリスマスツリーのレンタルを始めて大変な反響を呼んだそうだ。普通に売られるクリスマスツリーの生木は切り木だが、ここでレンタルされるのは植木鉢に入れられ、根のついたもの。直接自宅まで配達してくれる。

レンタル料は、175センチのツリーで約75ユーロ(現在のレートで約1万円)、それより小型のものは50ユーロ(約6500円)。さらに、クリスマスが終われば、家までまた回収に来てくれるので、買取人はその後の処理に困らないと言うわけだ。いらなくなったこれらのクリスマスツリーは、養樹園に運ばれ、11ヶ月間そこでまた育った後、次の年のクリスマスにレンタルされるのだ。

昔ならば、1年間納屋で乾燥させたクリスマスツリーは翌年の暖炉で暖かな火をともしてくれたのだろうが、現在の生活では暖炉を持つ人など殆ど居ない。さらには都会に住みながらツリーの再利用をすることは大変むずかしい。たとえば大きなツリーをマンションの下にあるゴミ捨て場にそのまま捨てることもできないため、小さく切ったものだけを、有機ゴミ専用コンポートに入れることができるのだが、何しろツリーからすべての飾りをきれいに取り外して、チクチク痛い針葉樹を、寒い中自分で細かく切り刻むのは中々大変な仕事だ。環境のことは気になるけれど、それでもやっぱり伝統に従って生木でお祝いしたいという人たちに、このEcoSapinのクリスマスツリーレンタルは大好評だ。

同社では初め、100本のツリーが貸し出されればいいところであろうと予想をしていたものの、実際はその倍の量が販売され、在庫がなくなってしまったそうだ。レンタルツリーの準備には大変な予算がかかっているため、まだまだ売り上げとしては多いとは言えないとのことだが、環境に関心の高いドイツでも注目されメディアでも取り上げられている。ちなみにこうしたエコロジービジネスとは直接関係はないが、モミの木は象の大好物でもあることから、自治体によっては動物園に寄付しているところもあるそうだ。象さんたちのお祝いはまさにクリスマス後にくるということらしい。


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<2010年1月配信の対談ラインナップ>

■ゲスト:三浦展  インタビュアー:河尻亨一
テーマ:増殖する「シンプル族」のライフスタイルと消費性向(放送時間:104分)
抜粋記事: http://mediasabor.jp/2010/01/post_740.html

広告や供給側の仕掛けが効きにくくなっている要因は、メディアの多様化だけでは
なく、コンシューマーの意識変化も見逃せません。静かに増殖する「シンプル族」は
その象徴であり、今後のサービス創出や商品開発で無視できない存在となっています。

三浦氏のマーケティングに対する考え方、手法、優れたマーケッター像についての
本音トークも、大変参考になります。

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 <三浦展>プロフィール
1958年生まれ。82年一橋大学社会学部卒、パルコに入社、マーケティング情報誌「アクロス」編集室勤務、その後同誌編集長として「第四山の手」「新人類」「世界商品」などのキーワードを使い、時代、世代、消費、都市、文化などを分析。
90年に三菱総合研究所入社、99年に退社し消費・都市・文化研究シンクタンク
「カルチャースタディーズ研究所」を設立。
団塊ジュニア世代、団塊世代などの世代マーケティングを中心に、自動車、家電、情報機器、食品、化粧品などの商品企画、デザインのための調査等を行う。
また、家族、消費、都市問題などを横断する独自の「郊外社会学」を展開するほか、「下流社会」「ファスト風土」「2005年体制」「真性団塊ジュニア世代」「シンプル族」などの概念を提案、マーケティング業界のみならず、社会学、家族論、都市計画論など各方面から注目されている。
主な著書は
「下流社会―新たな階層集団の出現」 (光文社新書)
「団塊世代を総括する」(牧野出版)
「ファスト風土化する日本―郊外化とその病理」 (洋泉社)
「かまやつ女の時代─女性格差社会の到来」 (牧野出版)
「シンプル族の反乱」(ベストセラーズ)など
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<対談の全体概要>
◎パルコ時代。マーケティング情報誌「アクロス」での仕事
◎三菱総合研究所での仕事
◎カルチャースタディーズ研究所設立の動機
◎独立後の印象に残っている仕事。手ごたえを感じたエピソード
◎「時代を象徴するようなヒット商品、流行は社会構造の変化によって
  もたらされる」という持論の意味
◎「社会構造の変化」を見極めるための仮説と検証について
◎優れたマーケティング・リサーチャーとは
◎「シンプル族」とは。「シンプル族」のルーツ
◎「シンプル族」のライフスタイル
◎「ロハス志向」と「シンプル族」の共通性
◎欧米文化崇拝から和文化志向への変化
◎「シンプル族」のコミュニケーション、情報接触の態様
◎「モノ」から「コト」へ変化する消費
◎これからの商品開発、サービス創出、流通の考え方


■ゲスト:夏野剛  インタビュアー:本田雅一
テーマ:ビジネスイノベーターの流儀(放送時間:97分)

ベンチャー企業と大企業において、革新的なサービスの実現に取り組んできた
過程、手法など夏野流仕事術を公開。ITインフラビジネスの特質のほか、IT業界の
動向を多面的に解説。保守的な日本企業社会に渇を入れ、多様化する現代社会に
おけるビジネスパーソンのキャリア形成の考え方についても言及。 

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 <夏野剛>プロフィール
1965年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京ガス入社。ペンシルバニア大学ウォートンスクールにてMBA取得。ハイパーネット副社長を経て、1997年にNTTドコモに入社。松永真理(まつなが まり)氏らと「iモード」ビジネスを立ち上げる。iモード以後も「おさいふケータイ」をはじめとするドコモの新規事業を企画、実現する。2005年、同社執行役員就任。同社退社後、2008年5月に慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特別招聘教授に就任。株式会社ドワンゴの取締役のほか、複数の企業の社外取締役も務めている。主な著書に「ケータイの未来」「1兆円稼いだ男の仕事術」「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」など。
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<対談の全体概要>
◎技術的観点からは理解しにくいITバブル的投資ブームは、なぜ起こったのか
◎失敗から学んだこと。その後の仕事のスタイル
◎iモード展開の内実
◎人との出会いによって転機となったこと。人脈形成のコツ
◎FOMA再生物語(900iシリーズ)
◎イノベーションが起こりにくい日本企業の体質と経営の改善ポイント
◎複数の企業から求められている自身の役割とは
◎会社が変わっても通用するキャリア形成の考え方
◎ITプラットフォーム構築のインフラビジネスを成功に導いた戦略
◎クラウドコンピューティングに対する考え方
◎金融危機等の影響下で終了しているネットサービスが多いが、この難局を
  どう捉えているか
◎PCインターネット上で有料サービスを成立させるための重要な要素
◎アップルiPhone、グーグルの携帯OS「アンドロイド」搭載端末について 

 


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